全般性不安障害とは
全般性不安障害は、「少なくとも6ヵ月以上続く過剰な不安と心配があり、不安や心配が自己コントロール困難で他のことに集中できず、日常生活に支障をきたしている」状態をいいます。多くの方が感じる不安や心配事の内容は、はっきりした原因があり、その原因が解消することで不安は消失します。全般性不安障害では、原因のはっきりとしない過度な不安が、不安の対象を広げながら続くことで、深刻に悩みすぎ、不安が更に強くなることや、イライラや落ち着かないなどの精神症状や筋緊張や睡眠障害、易疲労感などの身体症状、集中力の低下などの症状を伴うこともあります。
全般性不安障害の症状
身体的な症状
- 筋緊張
- 頭痛、頭重感
- 腰痛
- 倦怠感
精神的な症状
- 限定されない状況で全般的で過剰な不安
- 神経質で落ち着かない
- 些細なことで怒りやすい
- 集中力が続かない
- 不眠
- リラックスできない
全般性不安障害の治療
基本的な治療としては薬物療法と精神療法をおこないます。
薬物療法
日本では適応を満たしている内服は存在しませんが、主に抗うつ薬や抗精神病薬を用いて治療いたします。海外での治療有効性や安全性などを参考にしておりますので、御安心して御相談ください。著しい不安の症状がみられる場合には、SSRIによる治療が有効ですが、当院では漢方薬の処方もおこなっております。患者さまの症状や御希望に合わせて治療法を検討いたします。
精神療法
心理療法には、認知行動療法や認知再構成法、問題解決法などがありますが、これらの治療効果を最大限発揮させるためには、これらを得意とする専門家と有効的な関わりを持つことが必要となります。患者さま自身の取り組みを長期間継続することが必要であり、また、効果が発揮するまでに数か月以上かかる場合もございます。しかし、全般性不安障害に心理療法は有効的な治療であり、薬物療法とあわせることで症状の改善を期待することができます。大学のカウンセリングルームなどを御提案する場合があります。